障害年金制度には国民年金法による障害基礎年金、厚生年金保険法による障害厚生年金があります。
共済組合においては共済組合独自の障害共済年金があるのですが、平成27年10月の被用者年金一元化により共済組合も厚生年金に統合されたため、既に障害共済年金の受給権者の方等の一定の場合を除いて障害厚生年金の対象となります。
各制度の概要は以下のようになります。
【支給要件】
障害基礎年金を受給するには、前提として以下の3つの要件を満たす必要があります。
1.初診日要件(加入要件)
①初診日に国民年金の被保険者である人が、その病気・怪我により障害の状態になった場合
②被保険者であった方で、初診日に60歳以上65歳未満で日本国内に居住している場合
③20歳前に初診日がある場合
2.障害認定日要件(障害要件)
障害認定日に、法令に定められた障害等級表1級または2級の障害の状態であること
3.保険料納付要件
①初診日の前日の時点で、初診日のある月の前々月までの公的年金の全加入期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせ
た期間が3分の2以上あること
②初診日の前日の時点で65歳未満であり、初診日のある月の前々月からの直近1年(12月)に保険料未納期間が無いこと
これら3つの要件を満たしているかまず検討し、要件を満たしている場合に請求を行うことになります。
【年金額等】
障害基礎年金の額は定額となっており、等級に応じて以下の額が支給されることになります。
(1級)
975,125円・・・平成28年度4月以降の額
(2級)
780,100円・・・平成28年度4月以降の額
また、障害基礎年金の受給権者に障害基礎年金を受給できるようになった当時、その人に生計を維持されている18歳到達年度の末日(3月31日)までの子、もしくは20歳未満で障害等級表1級または2級の障害の状態にある子がいる場合は以下の額が加算されます。
(子の加算額)
1人目・2人目の子
224,500円・・・平成28年度4月以降の額
3人目以降
74,800円・・・平成28年度4月以降の額
なお、子の生計維持の基準は以下の通りになります。
(生計維持要件)
受給権者と生計同一の子で、その子の収入が年額850万円未満または所得が年額655.5万円未満であり、将来にわたって年額850万円
以上の収入または年額655.5万円以上の所得を得られないと認められる場合。
また、子の加算は一定の場合に増額または減額されることがあります
(子の加算額の増額・減額改定)
増額改定
・受給権取得当時胎児であった子の出生
減額改定
・加算対象の子の死亡時
・加算対象の子が生計維持されなくなったとき
・加算対象の子の婚姻時
・加算対象の子が受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき
・加算対象の子が離縁によって受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき
・加算対象の子の18歳到達年度の年度末が終了したとき
・加算対象の子が障害等級1級または2級の障害状態でなくなったとき(18歳到達年度の年度末終了までの間は除外)
・加算対象の障害等級1級または2級の障害状態の子が20歳に到達したとき
補足として、20歳前傷病による障害基礎年金の場合は以下の所得制限がかかります。
(20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限)
単身世帯
所得額が360万4千円を超えると2分の1が、462万1千円を超えると全額支給停止となります。
複数世帯
扶養親族1人につき上記の所得制限額に38万円加算された額が上限となりますが、老人控除対象配偶者か老人扶養親族である場合
は1人につき48万円、特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算された額が上限となります。
【支給要件】
障害厚生年金を受給するには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
1.初診日要件(加入要件)
初診日に、厚生年金保険の被保険者であること
2.障害認定日要件(障害要件)
障害認定日に、法令に定められた障害等級表1級、2級または3級の障害状態にあること
3.保険料納付要件
①初診日の前日の時点で、初診日のある月の前々月までの公的年金の全加入期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせ
た期間が3分の2以上あること
②初診日の前日の時点で65歳未満であり、初診日のある月の前々月からの直近1年(12月)に保険料未納期間が無いこと
これら3つの条件を満たしているか、まずは検討する必要があります。
(障害手当金について)
初診日に厚生年金保険の被保険者である方の病気や怪我が5年以内に治り、3級よりやや軽い程度の障害を残した場合は障害手当金が支給されます。但し、このとき他の年金の受給権者である場合は支給されません。
【年金額等】
障害厚生年金及び障害手当金の額は、障害の等級に応じて報酬比例の年金額に一定の率を乗じた以下の額が支給されます。
また、1級及び2級障害厚生年金の受給権者は、障害厚生年金を受給できるようになった当時、その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がおられる場合、加給年金額が加算されます(配偶者が20年以上の厚生年記被保険者期間がある老齢厚生年金や、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金等を受けられる場合を除きます)。
(1級)
報酬比例の年金額 × 1.25 + 加給年金額
(2級)
報酬比例の年金額 + 加給年金額
(3級)
報酬比例の年金額(最低保障585,100:平成28年度4月以降)
(障害手当金)
報酬比例の年金額 × 2.0(最低保障額は3級障害厚生年金の2倍)
そして、障害厚生年金は2階建ての年金ですので、1級及び2級障害厚生年金では、障害基礎年金と子の加算額のそれぞれが加算されることになります。
報酬比例の年金額の計算式は、従前額保障が本来水準を上回る場合は従前額保障となります。
(従前額保障)
①平成15年3月以前
平成15年3月以前の平均標準報酬月額 × 7.5/1,000 × 平成15年3月以前の被保険者期間の月数
②平成15年4月以後
平成15年4月以後の平均標準報酬額 × 5.769/1,000 × 平成15年4月以後の被保険者期間の月数
③①と②を合算し1.000倍する(昭和13年4月2日生まれ以降は0.998倍)
(本来水準)
①平成15年3月以前
平成15年3月以前の平均標準報酬月額 × 7.125/1,000 × 平成15年3月以前の被保険者期間の月数
②平成15年4月以後
平成15年4月以後の平均標準報酬額 × 5.481/1,000 × 平成15年4月以後の被保険者期間の月数
また、加給年金額は以下の額となります。
(加給年金額)
224,500円・・・平成28年度4月以降の額
なお、配偶者の生計維持の基準は以下の通りになります。
(生計維持要件)
受給権者と生計同一の子で、その子の収入が年額850万円未満または所得が年額655.5万円未満であり、将来にわたって年額850万円
以上の収入または年額655.5万円以上の所得を得られないと認められる場合。
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から