遺族厚生年金とは⑥

2.厚生年金被保険者期間中に初診日のある傷病での初診日から5年以内の死亡

 

 1のように厚生年金被保険者期間中の死亡でなかった場合であっても、厚生年金被保険者期間中にその死亡原因傷病の初診日があり、その初診日から5年以内の死亡である場合には遺族厚生年金の支給対象となりえます。

 

 但し、この要件も1と同様に短期要件であり、死亡した日の属する月の前々月以前の保険料納付要件が問われるため注意する必要があります。

 

 特に、退職後は国民年金被保険者となり、手続きの不備や経済困窮等により保険料を納めておらず未納期間としている場合はリスクが高くなるため、少なくとも国民年金保険料の免除申請をしておくことは重要であるといえます。

 

3.1、2級の障害厚生年金受給権者の死亡

 

 死亡した方が1級または2級の障害厚生年金の受給権者であった場合も遺族厚生年金の支給対象となります。

 

 また、この要件は1・2の要件と同様に短期要件ではありますが保険料納付要件が問われません。

 

※障害厚生年金は300月の最低保障があり、今後説明する長期要件の内容に合致するするという意味合いがあります

 

 ですが、保険料納付要件は問われないものの、3級の障害厚生年金では対象とはなりませんし、2級以上であっても障害基礎年金の場合も対象とはなりません。

 

※上記の場合でも、3級の障害厚生年金の原因傷病が悪化して死亡した場合には、傷病が悪化し障害等級の変動があったとして遺族厚生年金の支給対象となることがあります

  

 補足として、死亡者が亡くなってから1級または2級の障害厚生年金の受給権が発生した場合には、その後の遺族厚生年金も連動して支給対象となります。