保険料納付要件とは①

 老齢年金に代表される公的年金制度は社会保険の一種であり保険制度の一種です。

 

 保険ですので制度による保障を受けるためには保障を受けるための負担があるかをみるということになりますが、これを保険料納付要件といいます。

 

 但し、一般的な生命保険や医療保険については保険料を納めているかが前提で給付が行われるかが決定されるのに対し、公的年金制度の保険料納付要件では公的制度という社会保障の側面があるため、保険料を納めていないからといって一律に保険給付を行わないということにはなりません。

 

 公的年金に加入している期間を被保険者期間といいますが、この被保険者期間は保険料を納めた期間である保険料納付済期間の他、保険料免除を受けている期間である保険料免除期間、保険料納付の猶予を受けている期間である学生納付特例期間や若年者納付猶予期間であっても保険料納付要件を満たす扱いとなっています。

 

 保険料を納める余裕がないという理由だけで保険料未納期間とすることはするべきではなく、必要に応じて免除や納付猶予を受けておくことで将来の備えにすることが重要であり、何もしないでおくことは自ら権利を放棄する結果となりかねないため注意が必要となります。